この時期にぴったりなカルト映画の金字塔『ロッキー・ホラー・ショー』について解説するよ!
どうも肥前守です!
9月も残り少しということでね、今年もロッキー・ホラー・ショーの季節がやって参りました!
というわけで、
「ロッキー・ホラー・ショーって何?」「知らない」
という人のために今回は初心者向けの解説をしていきたいと思います!
The Rocky Horror Picture Show
監督:ジム・シャーマン
脚本:ジム・シャーマンリチャード・オブライエン
製作:マイケル・ホワイト
製作総指揮:ルー・アドラー
音楽:リチャード・ハートリー
撮影:ピーター・シュシツキー
編集:グレイム・クリフォード
製作会社:ルー・アドラー=マイケル・ホワイト
配給:20世紀フォックス
公開:イギリス:1975年8月14日
上映時間:99分
製作国:イギリス
言語:英語
製作費:$1,200,000
まずは、ざっくりとあらすじから
物語の始まりは、教会での結婚式のシーンから始まります。
その結婚式に参加していた真面目な青年ブラッドと純粋な少女であるジャネットは、めでたく婚約することになります!
2人は、結婚式の報告を学生時代の恩師に報告しにいく途中、雨の中、森で迷います。乗っていた車のタイヤもパンクしてしまったため、電話を借りるために近くにあったお城に立ち寄ることにしました。
なんとも顔色の悪いお城の召使いのリフ・ラフに城内に案内されると、そこでは奇妙な格好の人々や、リフ・ラフの姉で家政婦のマジェンダ、そしてコロンビアという名前のグルーピーなどが集まって、おかしなパーティーが催されていました。
異様な雰囲気を感じたブラッドとジャネットの2人は、ここから逃げようとしますが、そこで城主であり、全性愛、異性装、マッドサイエンティストだと自称するフランクン・フルター博士が登場し、引き止められます。
彼は「トランシルヴァニアのトランセクシャル出身のスウィートなトランスヴェスタイト(異性装)」と自己紹介し、ブラッドとジャネットを自分の研究所に招待します。
その研究所では、なんと博士は金髪の人造人間・ロッキーを作る実験が行われていたのです!
博士が人造人間を作っていた目的は!?...
そして、ブラッドとジャネットの運命はいかに!?...
と、あらすじだけ読めば、よくありがちのB級ホラー映画かなって感じですよね。
本筋はそうなんですが、なんとこの内容で『ミュージカル映画』なんです。
ガンガン歌って踊ります(笑)
ミュージカル映画といえば、
見ているだけで楽しくなる「オズの魔法使」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「マンマ・ミーヤ!」、「チキチキバンバン」、ディズニー作品の「メリー・ポピンズ」、「魔法にかけられて」、見ていて心にぐっとくるような「レ・ミゼラブル」、「オペラ座の怪人」、「ムーラン・ルージュ」などが王道といったところでしょうか。
最近は実写版の「美女と野獣」、「ラ・ラ・ランド」、「グレイテスト・ショーマン」なども話題でしたね。
では、
「ロッキー・ホラー・ショー」は何が面白いの?
他の王道ミュージカルと何が違うの?
どこが評価されてるの?
特徴は?
って話ですよね
私なりに大きく2点挙げてみると
・公開当初は評価は最悪、時代を経て評価が向上
・ライブ感たっぷりの視聴者・観客参加型映画
といったところが、なかなか他の映画ではみられない魅力だと思います。
あらすじだけでは分かりにくいかもしれないですが、結論から言うと、この映画はなんでもありでめちゃくちゃなんです。
1975年にイギリスで公開された当初は評価は最悪で、試写会の席ではお客が次々に中途退席していったといわれています。
しかしカニバリズムなどの猟奇的であったり、麻薬などのインモラルな要素もあるものの、当時のほかの映画ではとても見られない奇怪なキャラクター、刺激的で洗練されたロック音楽と衣装・舞台のデザイン、ホモセクシュアルやバイセクシャルやトランスヴェスタイトや乱交も含めたエロティックな内容は、少数ずつながら支持者を増やしていきました。
公開1年後にアメリカで始まった深夜興行では、俗に言うコスプレをした観客(1970年代にですよ!)が週末ごとに集まり、映画を見ながら全員でお約束のツッコミを叫んだり、紙吹雪や米をまき散らす、さらにはスクリーンの前で俳優が同時進行で演技するといった、観客参加型のパーティ形式の上映が定着していきました。
この上映形態は熱狂的リピーターを続々と生み出し、カルトムービーの代表格として必ずその名前が挙がる高みに本作を押し上げていき、公開から40年近く経った今もなお古びておらず支持されており、熱心なリピーターに支えられて上映会は世界中のそこかしこで行われています。
もちろん日本でも!
さらに2016年には米FOXで『ロッキー・ホラー・ショー』のリメイク作品、『The Rocky Horror Picture Show: Let’s Do the Time Warp Again』がテレビ映画として放送されました。
日本では舞台も!
出演は、
ISSA
アヴちゃん(女王蜂)
吉田メタル
東京ゲゲゲイ【BOW・MARIE・YUYU・MIKU】
戸塚慎
若井龍也
佐藤マリン
ROLLY
めちゃくちゃ豪華ですね!
また、2005年にはアメリカ国立フィルム登録簿(発表から最低10年以上経った「文化的、歴史的、芸術的」に重要であると評価されたフィルムが登録されている。)に永久保存登録されるまでになったのです。
中身のない悪趣味な映画と言われておりますが、映画には
「Don't dream it, Be it.」
といったメッセージがあります。
直訳すると「夢見るのではなく、それに成れ」ですが、
この映画では暗に「カミングアウトしよう」という意味も含んでいますが、作品はゲイ・コミュニティを遥かに超えて、多くのロック・ファン、芝居ファン、そして冒険を恐れない人々のバイブルとなりましたから、今やマイノリティに限らず、行動を起こしてほしいすべての人に捧げたい言葉となったと言えましょう。
また、この映画の支持が集まってきた背景として、公開された70年代は同性愛に対してもまだまだオープンな時代とは言い難く、マイノリティの人々にとって肩身の狭い世の中に対して、この映画のキャクターたちのように、自分の枠を取り払い、好きな生き方をすれば良い、というヒッピームーブメントやカウンターカルチャーの流れとも相性が良かったのかもしれません。
ですが、作品はゲイ・コミュニティを遥かに超えて、さらには時代も超えて、多くのロックファン、芝居ファン、そして冒険を恐れない人々のバイブルとなりましたから、今やマイノリティに限らず、行動を起こしてほしいすべての人に捧げたい作品となったと言えましょう。
この作品は私の世界観を作っている映画のひとつです。
興味を持っていただけたのなら、ご覧になることをお勧めします💋
以上、今回もおつきあいありがとうございました!